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宮部みゆき「ソロモンの偽証」を見比べてみた


まずオーディブルで聴きまして。

いや、
その前にWOWOWのドラマの第1話を見まして。

見てる時間がないなと思っていたら、
オーディブルにあるじゃんと思いまして。

で、
オーディブルで原作全6冊聴いてから、
WOWOWドラマ全8話見て、
映画版前後編を見ました。


オーディブルで最初聴いてたら、
ドラマの第1話と全然違うじゃんってなりましたね。

第一発見者が違うってすごくないですか。

だいたい原作が長くて、
映画2時間じゃ無理だろってよくある話。

ダヴィンチコードとか。

なので、
途中飛ばすしかない。

原作は音読約78時間分、
ドラマは約7時間、
映画は約4.5時間。

原作の、
どの部分を見てもらいたいのか、
主張したいのか。

これが監督によって違うわけですね。


ドラマは、
モリリン事件が丸々ないのがすごいね。

そして全然調べてないのに、
すぐに裁判が始まる。

そこで気づいたんですが、
高校生じゃんとか、
夏じゃなくて春のうちにやるのかとか、
設定がそもそも違うんですね。

確かに、
中学生メインのドラマって難しいんでしょうね。

無名の俳優でほとんどやらないといけないし。

なので、
原作の学生を減らして、
主役級と大人に時間を使う感じですね。

まあ、柏木兄と一緒にみんなでいたとことか、
制服じゃなかったら同級生みたいになってたけど。


映画は、
モリリン事件が出てきてて、
間に合うのかって思ってたら、
あれもこれも入れてきてて、
ドラマ見てから映画見るとすごいですよ。

時間が短いのに、
ほぼ原作の設定でいくとは。

ただ、
ドラマで出てきた柏木兄が省かれてた。

理科準備室の場面や、
暴行事件の被害者の証言もなかったかな。

ドラマはこの辺りをちょっと変えてやってた。


ただ、
やはり大きいのは、
ドラマも映画も野田が空気になっていた。

主役級の生徒。

両方ともここをバッサリ切ってるんですね。

野田事件もないし、
最後の反対尋問も当然やらない。

まあしょうがないね。

藤野、神原を中心にしてるので。

あと、
柏木と神原の関係性があんまり出てこなかった。

原作もあんまり出てこなかったか。

ドラマは、
回想シーンで笑い合ってたとこがでてたけど。

ここ重要でしょ。

そもそも、
両方とも柏木の人間性があまり描かれてないかな。

演劇部の話とか。

映画は兄も美術の先生も出てこない。

その分、
藤野が証言するのか。


原作では個性的な学生がいっぱいいるけど、
ほぼカット。

そんな中、
映画の松子役が良かった。

塚地さんとの食事シーンは笑える。

あれがあるからこそ悲しいんですよ。

ドラマの松子と似てると思ったけど、
なんと同一人物。

はまり役だわ。

この松子が使いたいから、
ドラマでは設定を高校生にしたのか。


まあとにかく、
登場人物を減らして、
その役を誰かがやる感じですね。

モリリンが藤野を叩いたときは驚いたね。

お前が叩くんかい。



宮部みゆき「理由」


理由

著者 宮部みゆき


オーディブルで聴きました。

火車同様のどんでん返しがない感じ。

何組かの家族の物語ですね。

家族がいっぱい出てきて、
時間軸がバラバラに出てきて、
組み合わせて徐々に真相が明らかになっていく。

これが宮部みゆきか。


普通のスピードだと20時間くらいかかるので、
途切れ途切れ聴いてるわけです。

そうすると、
誰が誰だか、
事件の前なのか後なのかとか、
わかりずらい。

でもおもしろい。


宮部みゆき「火車」


火車

著者 宮部みゆき


ネタばれ含みますので注意。

1992年の作品ですね。

オーディブルで聴きました。


まず言いたいのは、
「そこで終わりかい」。

気付いたら残り1分くらい。

にもかかわらず、
どうやって終わるんだと。

やはり、
なりすましてたのは逆だったのか。

そして読者に考えさせる感じか。

って思ってたけど、
そのまま終わったじゃん。


私がなぜ逆だと思ったのかですが、
途中wikiでいつの作品かなとググったんですね。

そしたら、
ネタばれというか、
「最後の1行に犯人が出てくる小説を書こうとした。」
って書いてありました。

まあありがちなどんでん返しかなと。

意外な犯人ね。

って思ってしまっていたと。

そして途中に整形の話があったり。

八重歯がどうとか。

そして幼馴染が、
「声かけさせてくれ」
っていうわけですよ。

これは声をかけて声が幼馴染じゃん、
というか両者ビックリの展開になるなと。

にもかかわらず、
残り1分。

これは逆でした、
ってなってからの謎解きは無理だろ。

って思ってたら、
「そこで終わりかい」。


名作ですね。

ラストのシーンも、
ようやくたどり着いた充実感がいい。

そしてたどり着くまでの流れもいい。

情報を集めて仮説、集めて仮説。

ドラマも見たいですね。