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64(ロクヨン)をaudibleで聴いて考えを改めさせられた読書についての考察


64(ロクヨン)

著者 横山秀夫


オーディブルで聴きました。

おもしろいですね。

昭和64年の事件が関係する刑事もの。

見てないけど映画で知って、
オーディブルで見つけた。


地元の記者達が、
地元が悪く言われるのが悔しい、
って辺りがいいですね。

刑務部と刑事部であったり、
地元と東京であったり、
派閥というかコミュニティというか、
ポジションによって考え方があり、
その描き方がおもしろい。


前まで、
ミステリやサスペンスは大どんでん返しがおもしろい、
と思ってましたが、
もはやあらすじとかではないなと思い始めました。

当然あらすじはおもしろいけど、
その流れの中で各々どう考えるか。

私は小説の読み方を勘違いしていたのではないかと。


漫才やコントで伏線回収の評価が高すぎる、
って感じのことを何かで見ました。

人それぞれ評価のポイントは違って当然ですが、
オチがないとダメとか、
大どんでん返しがないからダメとか、
だけではなく、
本もあらすじだけではないと。


もはやいいわけですが、
犯人を覚えてません。




宮部みゆき「ソロモンの偽証」を見比べてみた


まずオーディブルで聴きまして。

いや、
その前にWOWOWのドラマの第1話を見まして。

見てる時間がないなと思っていたら、
オーディブルにあるじゃんと思いまして。

で、
オーディブルで原作全6冊聴いてから、
WOWOWドラマ全8話見て、
映画版前後編を見ました。


オーディブルで最初聴いてたら、
ドラマの第1話と全然違うじゃんってなりましたね。

第一発見者が違うってすごくないですか。

だいたい原作が長くて、
映画2時間じゃ無理だろってよくある話。

ダヴィンチコードとか。

なので、
途中飛ばすしかない。

原作は音読約78時間分、
ドラマは約7時間、
映画は約4.5時間。

原作の、
どの部分を見てもらいたいのか、
主張したいのか。

これが監督によって違うわけですね。


ドラマは、
モリリン事件が丸々ないのがすごいね。

そして全然調べてないのに、
すぐに裁判が始まる。

そこで気づいたんですが、
高校生じゃんとか、
夏じゃなくて春のうちにやるのかとか、
設定がそもそも違うんですね。

確かに、
中学生メインのドラマって難しいんでしょうね。

無名の俳優でほとんどやらないといけないし。

なので、
原作の学生を減らして、
主役級と大人に時間を使う感じですね。

まあ、柏木兄と一緒にみんなでいたとことか、
制服じゃなかったら同級生みたいになってたけど。


映画は、
モリリン事件が出てきてて、
間に合うのかって思ってたら、
あれもこれも入れてきてて、
ドラマ見てから映画見るとすごいですよ。

時間が短いのに、
ほぼ原作の設定でいくとは。

ただ、
ドラマで出てきた柏木兄が省かれてた。

理科準備室の場面や、
暴行事件の被害者の証言もなかったかな。

ドラマはこの辺りをちょっと変えてやってた。


ただ、
やはり大きいのは、
ドラマも映画も野田が空気になっていた。

主役級の生徒。

両方ともここをバッサリ切ってるんですね。

野田事件もないし、
最後の反対尋問も当然やらない。

まあしょうがないね。

藤野、神原を中心にしてるので。

あと、
柏木と神原の関係性があんまり出てこなかった。

原作もあんまり出てこなかったか。

ドラマは、
回想シーンで笑い合ってたとこがでてたけど。

ここ重要でしょ。

そもそも、
両方とも柏木の人間性があまり描かれてないかな。

演劇部の話とか。

映画は兄も美術の先生も出てこない。

その分、
藤野が証言するのか。


原作では個性的な学生がいっぱいいるけど、
ほぼカット。

そんな中、
映画の松子役が良かった。

塚地さんとの食事シーンは笑える。

あれがあるからこそ悲しいんですよ。

ドラマの松子と似てると思ったけど、
なんと同一人物。

はまり役だわ。

この松子が使いたいから、
ドラマでは設定を高校生にしたのか。


まあとにかく、
登場人物を減らして、
その役を誰かがやる感じですね。

モリリンが藤野を叩いたときは驚いたね。

お前が叩くんかい。



硝子の塔の殺人


硝子の塔の殺人

著者 知念実希人


オーディブルで聴きました。

なんかおススメで出てきた気がします。

最近のミステリー小説ってあんまり読んでないし、
コナンも見てないし、
金田一少年くらいから読んでないかな。

王様のトリックを前に読んだか。

何年前だろ。

この硝子の塔の殺人は、
最近のミステリにも触れていて、
読者が犯人とか、
メタ視点とか、
最近はよくわからない感じになってますね。

しかし、
これはすごい。

ということでネタバレ。


だいたい犯人じゃなさそうなのが、
犯人ってあると思います。

なので、
メンバー的にメイドかな。

とか。

途中でメイドが部屋に引きこもりに行くのを、
刑事が追いかけて、
5分くらいで刑事が戻ってくるとこで、
これでメイドが死んでたら、
刑事が怪しいかな。

とか。

階段から押されたとこで、
名探偵かな。

とか。

火は日光だろうな。

とか。

自動で窓が開くのはトリックに使えるな。

とか。

適当に考えながら聴いてました。


しかし、
これ読んでて全体像がわかる人いるのかな。

すごいね。

これが最新のミステリーか。

他のミステリーも読みたくなった。


宮部みゆき「理由」


理由

著者 宮部みゆき


オーディブルで聴きました。

火車同様のどんでん返しがない感じ。

何組かの家族の物語ですね。

家族がいっぱい出てきて、
時間軸がバラバラに出てきて、
組み合わせて徐々に真相が明らかになっていく。

これが宮部みゆきか。


普通のスピードだと20時間くらいかかるので、
途切れ途切れ聴いてるわけです。

そうすると、
誰が誰だか、
事件の前なのか後なのかとか、
わかりずらい。

でもおもしろい。


宮部みゆき「火車」


火車

著者 宮部みゆき


ネタばれ含みますので注意。

1992年の作品ですね。

オーディブルで聴きました。


まず言いたいのは、
「そこで終わりかい」。

気付いたら残り1分くらい。

にもかかわらず、
どうやって終わるんだと。

やはり、
なりすましてたのは逆だったのか。

そして読者に考えさせる感じか。

って思ってたけど、
そのまま終わったじゃん。


私がなぜ逆だと思ったのかですが、
途中wikiでいつの作品かなとググったんですね。

そしたら、
ネタばれというか、
「最後の1行に犯人が出てくる小説を書こうとした。」
って書いてありました。

まあありがちなどんでん返しかなと。

意外な犯人ね。

って思ってしまっていたと。

そして途中に整形の話があったり。

八重歯がどうとか。

そして幼馴染が、
「声かけさせてくれ」
っていうわけですよ。

これは声をかけて声が幼馴染じゃん、
というか両者ビックリの展開になるなと。

にもかかわらず、
残り1分。

これは逆でした、
ってなってからの謎解きは無理だろ。

って思ってたら、
「そこで終わりかい」。


名作ですね。

ラストのシーンも、
ようやくたどり着いた充実感がいい。

そしてたどり着くまでの流れもいい。

情報を集めて仮説、集めて仮説。

ドラマも見たいですね。


天才を殺す凡人


天才を殺す凡人

著者 北野唯我


最近はコミュニティ論がマイブームですが、
この本もそれっぽいかな。

おもしろい。

天才、秀才、凡人、
この三者は誰の中にもいて、
その時々で割合が違うんでしょう。

あることが得意な人とか。

でも得意だから天才かって話ですね。

その才能があるかどうかは、
やってみなければわからない。

でも好きこそ物の上手なれだしな。

いや、
好きかどうかはやっぱ、
やってみなければわからない。

続けるかどうかは、
自分の中の凡人がどう判断するか。

回りがやめろって言ってるし、
っていう共感力を発揮してやめるか。


王様のトリック


王様のトリック

著者 吉村達也


雪で閉ざされた建物で起こる殺人事件。

一気に読みました。

久々にビジネス書でも歴史物でもない、
ミステリーですね。

本屋で買って、
その日のうちにほぼ読み終えるくらい。

集中して読みました。


雪が気になってしょうがなかった。

リアルに松之山は降ってたわけで。


なんか驚くとかじゃない気がする。

ミステリをあんまり読んでないからかもしれませんが。